あとがき(代表コラム)
相反する「わかりやすさ」と「ソーシャルインパクト」
2号目から早々のお詫びです。
先月号のあとがきにて、叶えたい夢があり反対されようともやってやる、と意気揚々に有料の地域メディアをつくりたい旨を書きました。短くはない期間、温め続けていたアイデアであり確信も持っていました。しかし、文章にして発信してみたあと、ふと、そのアイデアは人に対する「わかりやすさ」と「今、自分たちにできること」の中で考えてしまっていないか?と思ってしまいました。
想いを持つ人たちが地域に貢献しては潰れていってしまうケースを幾度も見てきた私たちが掲げるミッションは、やはりそういった方が疲弊せず、継続的に取り組める仕組みや助け合いの社会をつくることにあります。そして、誰かの気持ちと時間と体力だけで支えるのではなく、その仕組みをハブとして地域の人々しかり、企業、団体などが様々なカタチで貢献に参加できる在り方が必要です。
地域のファンの方々と一緒に企画して、大手にはできない濃厚な内容のローカルメディアを発行し、買っても売っても地域貢献となる事業から地域を支えるプレイヤーを創出する。その仕組みが、私たちが掲げるミッションに対する解だと考えていました。しかし、もし仮にうまくいったとしても、すぐに先細りするのではないか、と感じてしまいました。なぜなら、今、この瞬間の社会の在り方で考えてしまっているからです。もう少し先の社会に焦点を合わせていかなくてはなりません。
では、先の未来を見据えたうえで、掲げるミッションがクリアになる方法はなんでしょうか。
今、ヒントとして考えているのは「個人の信用」の可視化です。地域活動を行い続けてきてよく思いますが、 地域貢献から生まれる信頼は、基本的に貢献した側とされた側との個人間のみで活きます。
これまでは、さして不便はなかったといえばなかったのですが、それが属人化の元となり、また、時間の貴重さを増す現代において、積み重ねた信頼が他で使えないのは、あまり効率のいい話ではありません。
例えば、どこそこの〇〇さんは、□□町会からとても信頼されているという信用から、何か仕事を得ることができたり、安心できるところに子どもを預けられたり、空き家を使える資格になったり。もしかしたら活動資金や補助金を得るための審査材料になったり、書籍の帯の宣伝文句のように、その人の信用を他の人に貸して、また誰かの力になったり。
とにかく、人のため、地域のために行った行動がその人自身の自己実現等のために「使える」ようになれば、世の中がもう少しよく回り、地域貢献に対する価値も上がるのではないでしょうか。
技術的には、きっとブロックチェーンなんかが相性が良いでしょう。しかし、テクノロジーベースで考えるのではなく、そんな未来を見据えた上で今できることがあるはずです。
先月号に掲載させていただいたアイデアに対し、肯定的なご感想も多々いただいた中で早速の朝令暮改で申し訳ありません!
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