第30回目となる阿佐谷ジャズストリートの二日間を無事に終えることができました。実行委員をはじめ、300名を超えるボランティアで支える地域の一大イベントです。チケット販売も過去最高を記録し、街にも人が溢れ、おかげさまで節目にふさわしい回を迎えることができました。
ネイバーズグッドとしては事務局を運営し、イベントの準備から広告の営業や各所の渉外、ボランティアさんの募集や配属など、中心の部分を担わせていただいております。地域のみなさんがボランティアで支えてきたイベントとなりますが、今や風物詩の一つとなり、ジャズが地域の文化となっています。
もう15年、20年と長く関わられている方も多く、さらには30年前の立ち上げから関わってらっしゃる方もいます。彼らすると、毎年行っている街の大人の文化祭というような感覚でいますが、事務局長という立場で準備に携わっていると、地域の期待は正直その域を超えています。
さらには30年という年月はそのまま組織の高齢化となり、フィジカル面の体力をはじめ、情報処理においても追いつけていない部分があります。ボランティアによって支え続けられてきたことはとても素晴らしいことであり、それがあって地域に愛されるイベントとして、今がありますが、却ってそれがしんどくなっているタイミングでもあるように思います。
周りを見渡してみると、これは阿佐谷ジャズストリートに限った話ではなく、都内でも地方でも担い手不足や経費高騰により、地域に愛されつつも敢えなく続けられない実情が社会問題化しつつあるように感じています。
なぜ担い手不足が起こってしまうのか。少子化という母数の問題ももちろんあるかとは思いますが、やはり、地域のために身を起こして活動するという人は本当に稀有な存在だと思います。とはいえ、全くいないというわけでもなく、「期待の若者」がふと現れます。しかしながら、歴史あるイベントほど、昔からのやり方からの脱却が難しく、物事の決定権を持つことができない若者がそれに疲弊していきます。
繰り返しにはなりますが、ボランティアで支えることはとても尊いことです。しかしながら、それぞれの「善かれ」と思う気持ちからの行動が、一定のスケールの組織においては大きな負担となってしまうことがあります。そして、それは善意から生まれているものなので、その負担の原因に気がつけない、指摘できないという苦しさもあります。それでまず離れてしまうのは若者です。
阿佐谷ジャズストリートに話は戻り、今回も多くのボランティアさんに支えられました。事前のボランティア説明会には100名近くの方々にご参加いただき、その半分ほどは初めてボランティアに参加する方々でした。例年よりも若い世代も多くいらっしゃいました。
まちのために力になりたい、という方は一定数います。担い手不足となってしまう本質にちゃんと向き合い、本当の意味で地域のためを考えた選択をしていかなくてはなりません。お金の部分もそうです。どうしても儲けは悪となりがちな地域イベント。不用意にお金をかける必要はありませんが、必要な部分はちゃんと工面して、お金を投じなければなりません。阿佐谷ジャズストリートはその部分の理解はある方だとは思いますが、でも地域の期待に対して、かけるべきお金がついてきてきてこれていないのは、今後の課題の一つだと言えます。
Index ネイバーズグッド《2024年11月号》
Topicks開催迫る!すぎなみ みんなの大運動会
震災に備えてつながるカフェ 実施しました!
30年目の阿佐谷ジャズストリート
月間インフォメーション
今月のネイバーズ募集
デザインワークス
今後のスケジュール
あとがき(代表コラム)
「好き」を仕事にすることと担い手不足