新たな仲間達とつくる地域プロジェクト「すぎなみU30ミーティング」とは

 2022年度より、30歳以下向けの社会教育事業を杉並区より請け負わさせていただいており、2023年、24年では「みんなの大運動会プロジェクト」と題し、子どもから大人まで、障がいがある方も全ての方が参加できる地域の大運動会を、若い世代が中心になってつくるプログラムを実施しています。大変ありがたくも今年度も継続させていただくこととなりました。

 そもそも、行政さんが若い世代との接点が持てていないという課題に対して、提案させていただいている企画ではありますが、4年目となり、より本質の部分へと少しずつ重心をずらしており、今回は「すぎなみU30ミーティング」のメンバー募集として打ち出しており、ちょうど本日、5月1日発行の杉並区の広報すぎなみにも掲載がされております。

 実施する内容の大筋は同じで、老若男女が参加できる大運動会を公募で集まったU30の同世代の新たな仲間達でつくっていきます。2年目まで、わかりやすさを重視し、「運動会をつくる!」という部分を前面に打ち出しメンバーを募りましたが、今年からは個々の自発性の助長は据え置き、より「コミュニケーション」を目的とした設計にしています。

 この取り組みのPRにあたって、毎度、阿佐谷、成田、馬橋、高円寺、和田、堀之内の地区の町会の各会長さんに挨拶行脚をさせていただき、このプロジェクトの必要性を語らせていただく機会を頂戴しているのですが、コロナ禍の約4年間に大学生活を送り、リモートの環境下で横のつながりを十分に持てないまま、この春に社会人になった方も多いかと思っています、と伝えさせていただいてます。

地区町会連合会での挨拶の様子

 パンデミックは身体的な影響もさることながら、社会とのつながり方にも大きな影響を与えました。コロナ以前より地域の関わりの希薄化は進んではいましたが、それがより顕著となりました。もう少し下の世代に目を向ければ、不登校児童は過去最高を更新する一方です。

 なぜ、不登校になってしまうのか、なぜ、入りたくて入った会社をすぐに辞めたくなってしまうのか。

 昭和、平成に思春期を過ごした大人の感覚ではなかなかその理解を得ることは難しいことかもしれません。持論に過ぎませんが、情報化社会の副作用のように感じています。

 総務省のデータによると、1996年から2006年の10年間で、私たちが接する情報量は530倍に増加したと報告されています。これは、テレビ、パソコン、携帯電話など、様々なメディアを通じて接する情報量の急増を意味しています。

引用元:総務省「平成18年度情報流通センサス報告書」

 自身の経験よりも先に多くの情報が入ってきてしまう状況は、強烈なバイアスが生まれるのではないかと感じます。昭和生まれの身としては、「思っていたのと違った」、「やってみたら意外とよかった」。そんな経験を重ねて、社会に対する漠然とした不安を埋めていったように思います。

 それが現在としては、自身が経験をする前に情報が知識として先に蓄積されていきます。昨今はAIにより、その情報はよりリアリティーを持って私たちに迫っています。

 話が大きくなってしまいましたが、「すぎなみU30ミーティング」では、そんな多感な世代に「経験」の機会をつくれたらと考えています。大人から押し付けられるものでなく、自分たちで考えたことを実際にやって「経験」してみる。それを同世代の仲間達と力を合わせて。

 自由になんでもやってみるというのも、それはそれでなかなか難しく、「経験」を得るためには却って不自由なため、「運動会」というハコだけは用意させていただきますが、その機会の中で、さまざまな人に触れる「経験」を持ってもらいたいと思います。

 例えば、昨年の例の中でわかりやすかったのは障がい者。プロジェクトメンバーのほとんどは障がいがある人と触れる「経験」をあまりしたことがありませんでした。逆もしかりで、障がいがある人が、特段障がいのない人と一緒になにかをつくる「経験」はありませんでした。特に前者は、情報でしか持っていなく、実際にどう接すればよいのかはわかりませんでした。

 しかし、同じ目的を持って共に成功を目指す中で、互いに「人」と「人」の関係となり、属性は取り払われました。最後の振り返りでは、障がいがある人にどう接したらいいのか、具体的にメンバーの顔を浮かべわかるようになった、と一つの「経験」として世界が少し拡がりました。合理的配慮等、言葉として、情報としては出回っていますが、その距離感を感覚として捉えられるキッカケとなりました。

 障がいに限らず、社会には情報として出回っている課題がたくさんあります。そして、情報と実際には案外乖離があったりするものです。そして、情報だけでの蓄えでは、思い込みにつながります。

 「すぎなみU30ミーティング」の狙いとしましては、なんとなく楽しそうという動機から入ってもらって、新たな仲間達と「運動会」をつくる過程で、普段接しない人たちとコミュニケーションをして、学校や職場では得られない「経験」につなげてもらいたいな、と思っています。そして、それが「学び」であることの気付きを得てもらい、何事にも積極的に「経験」するようになってもらえると嬉しいばかりです。

 将来的には、U30世代だけで構成される自律組織となり、一定の信用下で若い世代の生の声がしかるべきところに届くような、ロビー活動といったようなことができるようになると良いなとネイバーズグッドとしては描いています。

U30の読者の方で、興味持たれた方はぜひ、ご参加いただけると嬉しいです。プロジェクトメンバーとしては対象外の世代の方々もぜひ、本番をサポートするボランティアや、種目への参加、そして、情報拡散のご協力をお願いできますと誠にありがたいです。

申し込み期間:2025年4月15日から 2025年5月27日まで

今回は説明会も実施!

 プロジェクトの概要や進め方についての説明会を実施します。説明会に参加しなくても、6月15日から始まる「すぎなみ みんなの大運動会プロジェクト2025」にご参加いただけます。説明会は、オンラインで参加することも可能です。

日時:令和7年5月25日(日曜日)午後2時~午後4時
会場:セシオン杉並 3階 第6・7集会室
定員:50名(申込順)


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新たな仲間達とつくる地域プロジェクト「すぎなみU30ミーティング」とは
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