Webラジオ「こんな”いき方”あったんだ!」Vol.4 ダイジェスト

同じ街に暮らしていても、見えている景色は人によって全く違うかもしれません。この番組は、障害当事者や障害者に関わる仕事をしている人をパーソナリティに迎え、リスナーから届く素朴な疑問にフラットに答えていく音声番組です。自分とは違う毎日を生きてきた人の話を聞くうちに、知らなかった世界や、自分自身の生き方のヒントが見えてくるかもしれません。第4回の放送内容をダイジェストでお届けします!

Webラジオ「こんな"いき方"あったんだ!」Vol.4ダイジェスト紙面
紙面(ダイジェスト)

村上 前回に引き続き、認定NPO法人みかんぐみの村一浩さんをゲストにお迎えします。

村 よろしくお願いします。

村上 村さんは、杉並区役所で長く障害福祉の仕事に携わり、公立・民間の障害者施設職員によるバンド「ヴィレッジセブン」を結成。現在は医療的ケア児支援や、福祉と芸術をつなぐ活動に取り組んでいます。今回は「障害のある方と一緒に楽しむ」をテーマに伺います。

「音楽の力」は、人と人との間に生まれる

村上 村さんはなぜ、音楽を通じた障害当事者との交流という活動を続けているのでしょうか。

村 「音楽が持つ力」とよく言いますが、音楽そのものに力があるというより、音楽を通して人と人との間に共感や共鳴が生まれたとき、大きな力になるのだと思います。好きなアーティストのライブで、知らない人同士が一体になる感覚に近いですね。

村上 障害の有無にかかわらず、同じ音楽を聴き、同じ場で楽しい気持ちを共有できる。第2回のラジオでも偶然、その楽しさについて話しあいました。

村 音楽だけでなく、スポーツも同じです。以前野球観戦の場で、知的障害だと思われる方が周囲の人と一体になって応援し、心から楽しんでいる姿を見たことがあります。その様子を見て、「この楽しい時間があるから、日々の仕事や生活も頑張れるに違いない」と感じました。

村上 楽しい場所や時間は、バックグラウンドに関係なく誰もが共有できると体感できますよね。村さんのバンドでは交流の場をどのようにつくっているんですか?

村 バンドメンバー全員が福祉関係の仕事をしているため、来てくれるお客さんも福祉施設の利用者や関係者が多く、彼らと一緒に歩んでいこうと決めているからこそ活動を長く続けられています。彼らと一緒に作った歌が、10年、20年と歌い継がれるうちに「みんなの歌」になっていくんです。

村上 一方的に楽しませるのではなく、演者と観客が一緒に場をつくっているのですね。

村 そうですね。また、連休には作業所が休みになり、余暇の過ごし方に苦労する方もいるので、そういう方の行き先の一つになればと連休にライブを開催することも多かったです。ただ、一番は自分たちが楽しいから続けています。関わったプロのミュージシャンからも「こんな楽しい場に参加できて自分たちの方が力をもらった」と言われることがあります。相互に共感し、エネルギーを受け取れる場所なんです。

村上 障害のある方と交流する上で、大切にしていることやエピソードはありますか。

村 「その人らしく生きる」ということの意味を考えるようになりました。その人のことをよく知らなければ、その人らしく生きているかも分かりません。誰にでもそれぞれの悩みがある一方で、好きなことや大切なものがあります。それがあるから苦しいことも頑張れる。相手を理解しようとすること、そして出会いを重ねることが、お互いの人生を豊かにするのだと感じています。

表現することで、世界と居場所が広がっていく

村上 後半は、木津さんと村さんの接点でもある表現活動を切り口に、交流の場について伺います。木津さんは車椅子で、約25年間ダンスを続けているそうですね。

木津 はい。私がしているのは、決まった型の振付ではなく、自分たちで創作しながら作品をつくるコンテンポラリーダンスです。障害があるから阿波踊りやバレエのような決まった型ができない、だから参加できない、ではなく、自分にできる表現を持ち寄って一緒に作品をつくります。

村上 始めたきっかけは何だったのでしょうか。

木津 母親の知り合いつながりで紹介されました。最初は恥ずかしくて輪に入れませんでしたが、やってみたらとても楽しかった。幼い頃は、車椅子だから見学と言われ、友達と別行動になることが多かったんです。内心仕方ないなと思っていたんですが、ダンスではみんなと一緒に何かをつくることができてすごく新鮮でした。

村上 木津さんと村さんが出会ったのも、ダンスの発表の場だったそうですね。

木津 小学生の頃、村さんが主催した「S-1グランプリ」というイベントに、所属していたダンスチームで参加しました。

村 「S」は杉並と障害を表し、「あなたの表現するSは何ですか」をテーマに、障害の有無を問わず出演者を公募したイベントです。会場投票とインターネット投票で審査し、賞金も設けました。

木津 障害のある人の発表では、「みんな頑張ったね」で終わることも多いのですが、S-1グランプリでは、観客が作品としてきちんと見て評価してくれました。結果を受け取ることはシビアかもしれないけど、ちゃんと自分の中に実感が生まれて、表現者として対等に扱われる貴重な経験でした。

村上 障害のある木津さんにとって、人前で表現する場はどうでしたか?

木津 仲間だけで表現をつくることも楽しいですが、福祉の場だけで完結すると、外との接点がなくなり、世界が広がりません。人前で表現し、反応を受け取り、新しい人とつながることで、居場所や可能性が枝分かれしていきます。

村 障害のある人も表現の主体なんですよね。そこから伝わるものは確かにあります。もっとさまざまな場所で表現していってほしいですね。

村上 楽しみ方は人によって差がありますが、そんな中でもまずは同じ場所で同じ体験をし、楽しさを共有することから始めればいいのですね。今回のお話でまたいろいろ学ばせていただきました。

木津 障害の知識がないと一緒に活動できないと思われがちですが、危険なことや困ることがあれば、その都度伝え合えばいい。障害があるかどうかより、「一緒にやってみよう」という気持ちが大切です。

村上 村さん、2回にわたり貴重なお話をありがとうございました。

村・木津 ありがとうございました。

全編はWebラジオにて!

この番組は毎月第4金曜日に配信しています。障害のある人もない人も楽しめる企画や、障害福祉の仕事を知れるセミナーの情報なども発信していきますので、お楽しみに!なお、区公式ホームページ内の当番組の紹介ページにお便り投稿フォームができました。番組で取り上げてほしいテーマやご質問等をお待ちしております。

紙面(PDF)はこちら(杉並区公式サイト)

配信・発行:杉並区保健福祉部障害者施設支援課
企画・制作:ネイバーズグッド株式会社

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