地域のご縁により、能楽の公演の事務局を2023年より務めさせていただいております。

能楽とは、室町時代より600年以上演じ受け継がれてきた、日本を代表する舞台芸術です。
能楽協会 能楽とは
言葉や節回しは古く室町時代の様式を今に残しています。
重要無形文化財保持者である観世流のシテ方の能楽師、小早川修氏がご指導役とし、実行委員会の会長は山下啓義氏が務めます。世界的ジャズピアニスト山下洋輔さんの実兄であり、また、ご本人も山下明童という名で琴古流尺八のご指南をされ、さらに阿佐谷神明宮の総代でもあります。



そんな文化に精通された方々で組織され、本格的な能楽を実は阿佐谷で味わう機会があるのです。我々が毎年行わさせていただいている「阿佐谷薪能」は、野外の能楽堂で篝火を焚いて演じられるもので、自然と一体となったその世界観は圧巻されるものがあります。

2017年に阿佐谷の町会や企業などの有志より実行委員会「あさがや能・狂言の会」が立ち上げられ、今回で第八回目の公演となります。
私たち、ネイバーズグッドとしては恥ずかしながら能楽やこうした伝統芸能にこれまで全く触れてきていなかったのですが、発足当時ご牽引されていた方が亡くなってしまい、また阿佐谷にお勤めであった委員の方もご定年を迎えられ、地域文化の継承を考えられた際に、お声をかけてくださり、現在に至ります。
おかげさまでこうした日本を代表する文化に触れられる機会をいただき、勉強の日々です。先日は、GINZA SIX内にある観世能楽堂へ公演も見に行ったりしてきました。

能楽師が演じられる能楽堂は、三間(けん) (1間は6尺(1.8182m)で、1平方間が1坪(3.3058平方メートル))と、広さが決まっているそうなのですが、神明宮よりも大きく感じたので、小早川先生に訊いてみたところ、内三間と外三間の二種の組み立て方があり、柱の位置が三間の中にあるか、外にあるかの違いとのことで、GINZA SIXの観世能楽堂は外三間のようです。そんなことを知れる貴重な機会をいただいております。
さて、第八回となる今年の「阿佐谷薪能」は5月24日(土)に実施いたします。おかげさまで毎度満席御礼をいただいており、かなり早くチケットが完売いたしますので、ご興味のある方はぜひお早めにご購入いただけますと幸いです。
チケット販売は3月24日(月)12:00より。公式サイトをはじめ、神明宮の社務所、杉並区役所内コミュかるショップにて販売いたします。

最後に。「阿佐谷薪能」は、今まで能楽に触れられたことのない方でも楽しめるようなコンセプトで企画しています。本番の際に解説を入れ、演目のあらすじを知っていただくことや、また、開催一ヶ月前には「能を知る」と題し、事前講座を行います。能舞台・装束・面・お囃子の説明、所作・運びなどを体験することができます。4月26日(土)13:30〜15:00まで、阿佐谷神明宮社務所内にて、阿佐谷薪能チケットご購入者は無料、講座のみの方は1,000円にて参加することが可能です。詳しくは追って公式サイトにてお知らせいたします。






そして、伝統文化の根底にある精神や美意識に触れることで豊かな人間性を育み、地域での教育と文化振興に寄与することを目的に活動しています。
そんな一環で、子ども仕舞の稽古にも力を入れており、月に一度、無料で稽古を重ね、「阿佐谷薪能」の第一部として、能舞台で実際に披露する機会を設けています。



事務局という立場にて、誠に手前味噌な話ではありますが、非常に素敵な取り組みです。しかしながら、やはり地元の方々の「想い」から始まったものの、時代の変化と経過の中で継続をさせていくためには、ただただ毎度実施するだけではなく向き合っていかなくてはいけないことがあります。この「阿佐谷薪能」に限った話ではありません。
今年度よりこの子ども仕舞については、アーツカウンシル東京さまの助成も受け、今後、若い世代の方々も活動をサポートしていける土壌づくりも同時に進めています。

少し大袈裟な話かもしれませんが、日本人の人口減少が危ぶまれている中、こういったユニークな文化に触れられる機会というのも益々貴重になっていくのではないかと思います。ご近所の方はぜひこの身近な環境で日本の文化を体感しにいらしていただけますと幸いです。
Index ネイバーズグッド《2025年3月号》
Topicks今こそ触れたい伝統芸能を阿佐谷で
「阿佐ヶ谷ひとと飲み」企業コラボPRを実施
阿佐谷ジャズストリートの組織改革
月間インフォメーション
今月のネイバーズ募集
デザインワークス
今後のスケジュール
あとがき(代表コラム)
ネイバーズグッドの地域活動のウラ側
