10月には恒例行事「 阿佐谷ジャズストリート」を実施しました。今回で第31回目となりましたが、30年という月日は世代の変わり目であることを実感します。「 阿佐谷ジャズストリート」が発足した1995年は、阪神淡路大震災があり、またオウム真理教による地下鉄サリン事件が起こり、世間が沈み込んでいました。そこで、「音楽でまちを元気に!」と地域の有志が集まって立ち上がりました。今回のジャズストリートをキッカケに、私たちの中で「文化」という言葉が最近のキーワードになっています。「継続」していくにあたっては、時代の流れに合わせて、変化をし続けていかないとなりません。
しかし、芯にある「想い」の部分は不変であり続ける必要があると考えます。「想い」の普遍性を突き詰めたとき「文化」という言葉を自ずとよく口にしていました。
プログラムの大刷新とその賛否
30年を経て、1年目を迎えるにあたり、パンフレットを大刷新することにしました。これまでパスポート制といった、チケットを購入すれば、参加会場のどこへでも鑑賞ができることが大きな魅力ではありましたが、コロナ禍を契機に人数制限や会場の減少、そして、コロナを明けたタイミングで消防が厳しくなり、どう算出してもパスポート制では採算が合わなくなってしまい、1チケット、1ステージ制に切り替えざるを得なくなってしまいました。しかしながら、生活様式の変化も伴い、仕組みを変更し、かれこれ4年ほどが経ち、おかげさまで定着に至っています。(残念な声はあれど)
一方で、毎年発行しているプログラムは、パスポート制のルールの下で機能が発揮できる構成となっており、このタイミングでなんとか変えなくてはならない必要を強く感じ、覚悟を決めて大刷新しました。





そこで立てたコンセプトが「文化」です。これまでは主に「誰が」「どこで」「いつ」演奏を行うのかの情報に留まっていました。しかしながら、こういった情報はチケット制となった今、お客さまはすでに当日にはわかっており、またネットに代替される情報でありました。
阿佐谷を愛するみなさんのサポートあって、「阿佐谷ジャズストリート」の認知はあれど、JAZZ自体を知らなかったり、有名であれど、その界隈のミュージシャン自体もわからないというのが、現代であるように思います。そこで、「阿佐谷ジャズストリート」を介して、JAZZとはなんなのか?阿佐谷とJAZZの縁(ゆかり)などを出演者をはじめ、関係者に取材を行い、文章に起こしました。
大変であることは目に見えてはいたので、それなりの覚悟を持った上で取り組みましたが、やっぱり大変でした。難産を経て生まれ変わったプログラム。その結果は賛否両論。「良い」と言ってくださる方は、とても気に入ってくださいました(中にはこのプログラムの出来に対して投げ銭いただいた方までいらっしゃいました。ありがとうございます!)が、「悪い」と思われる方は「読みにくい」「前の方がよかった」と、ズタボロです。
一番の大反省は、30年分の伝承を継承するにあたり、その編集に想定以上の時間を要してしまったことです。そのため、発行がほぼ当日となってしまい、各方面からお叱りを受けました。改めまして申し訳ございませんでした。それは完全に私が悪いこととして、深く反省しています。
今後、発行は早める改善を行うことは大前提とした上で、賛否が生まれたことに対してはポジティブに捉えています。なぜかというと、良し悪しの境目はまさに世代にあったからです。もちろん、兼ねてからのファンの方々、年配の方へ配慮したデザインを軽視しているわけではありません。しかし、「誰にでも受け入れられるもの」を目指すことは、結局、「誰にも伝わらないもの」なってしまう、というのが情報過多となった現代における一種のリスクです。特にこのリニューアル一発目においては、マイナーチェンジで「なんとなく変わったね」と、当たり障りないものよりも、これから「阿佐谷ジャズストリート」の新しい時代が始まることを喚起させる必要はありました。
若い世代には、スッと受け入れてもらいつつ、先輩方からは率直な意見を言いたくなり、辛辣ながらも明確なご意見は私たち創り手にとっては大きな収穫となり、※ユーザーインのための貴重な資源となります。
※「ユーザーイン」とは、商品やサービスを「使う人(ユーザー)」の視点に徹底的に立ち返り、その「本音(インサイト)」や隠れたニーズを理解して価値提供を目指す考え方
地域とより一体となって
「阿佐谷ジャズストリート」は地域と一体になって創り上げていく意識があります。行政やイベント会社主催ではなく、地域の有志が主体となって行っているからこそであり、それこそ、大切な「文化」の一つです。 杉並第一小学校では2016年から「ジャズ生演奏鑑賞授業」を継続しており、阿佐谷の商店街、パールセンターでは杉一小を始め、区内8校が参加する「ジャズアート展」が、なんと今回で第20回を迎えました。

そして、今回においては学校からのご要望により、杉並第七小学校の総合の授業の題材に「阿佐谷ジャズストリート」を取り上げてくださり、5年生の児童が考案したキャラクター「ジャーにゃん・ジャーにゃ」を生み出し、七夕まつりの名物「はりぼて」として制作するプロジェクトを実施。パールセンター理事長であり蒲重蒲鉾店店主の太田さんのレクチャーの下、児童、先生方、実行委員、ボランティアが一丸となって制作しました。




そして、なんとこの「ジャーにゃん・ジャーにゃ」。阿佐谷を舞台とした人気漫画『ひらやすみ』にも登場するという嬉しいサプライズも生みました。真造圭伍さん、この場を借りてありがとうございます!
今日発売の週刊スピリッツに「ひらやすみ」番外編載ってます!
— 真造圭伍 ドラマ 「ひらやすみ」11/3〜スタート!!! (@shinzokeigo) September 1, 2025
今回は、阿佐谷七夕祭りでヒデキのハリボテを作ったので、それのエッセイです。
記事も面白いから是非雑誌買って下さい🎋🎋
よろしくお願いします! pic.twitter.com/a4qcWxrsfu
当日はあいにくの天気
当日は、予報からあいにくの天気ではありました。が、さまざまなイベントに携わらせていただく中で、天気ばっかりは人の想いは天に届くのかも、と思わされることがあります。今年のジャズストリートはまさにそうでした。運営の世代交代を見据えた本31回目は中止になってはならないものでありました。また、ジャズストリート後のお知らせにて、目玉である、山下洋輔さんも2025年にて活動を休養されることがアナウンスされました。














写真提供:阿佐谷ジャズストリート実行委員会
「節目」というのは、来るべきときに来るもののようです。また、それは引き継ぐ者も引き継がれる者も覚悟はもちろんのこと、お互いにものすごく勇気がいるものだと実感を覚えます。
なるべく、すべての方がにハッピーなカタチで継承をすべく全力で最善を尽くす心づもりではありますが、とにかく、たくさんの方々が関わるイベントです。今回、中心となって準備から運営、後処理と担わせていただいている中で、私の中で持っている課題に対する「解」は、必ずしも正解とも限りません。たくさんの考え方が、想いを持っている人の数だけあります。先人の方々が残されてきた歴史を、「文化」とするために、誠心誠意に努めるのみです。
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