まちづくりニュースピックス
気になったさまざまな自治体や商店街、町内会のまちづくりに関する取り組みを毎月々収集し、一言コメントと併せて掲載していきます。私たちも含め、読者のみなさんと情報共有として楽しめるコンテンツとし、互いのアイデアにつなげられたらと思っています。
都内の商店街、自治会の施策や動向、 東京以外での取り組み、そして 防災関係と毎月ピックアップしていく予定です。
様々な自治体さま等より、課題解決や企画のご相談も増えております。気になるテーマ等ありましたらお気軽にご相談ください。
北区が「商店街地域応援団」制度を創設 — 23区初の住民参加型商店街サポート(配信日:2026年2月17日)
東京都北区は過去最大規模となる2026年度一般会計予算案(2,120億円)のなかで、商店街と地域住民の連携を促す「商店街地域応援団」制度の新設を発表した。商店街のイベント運営や活動参加を希望する区民・在勤者・在学者・来街者を「応援団」として募集・登録し、催し物の運営や情報発信を担う仕組みで、23区では初の試み。同時に区独自のデジタル地域通貨アプリを今秋リリースし、年度末までに約6万人の利用者・約1,000店舗の加盟を目指すとしている。(都政新報電子版 2026年2月17日)
出典元:北区26年度予算案/商店街地域応援団・デジタル地域通貨(都政新報)
商店街の担い手不足の状況を行政が現場レベルで把握されたように感じる記事。企てられた予算がどこにどのように充てられるのかが、注目どころのように思います。しかしながら、地域コミュニティの形成と経済課題は、真逆にある両端の課題であり、それを一緒に解決させるということもまた新たな課題。その解決のためのデジタル地域通貨は一つの手段であると思いますが、高齢化率を調べてみると北区は23区内で3番目に高く、地域通貨がアプリで浸透するかはまた一つの障壁ではないかと思います。
東京都×大学「都営住宅学生居住・自治会支援」拡大 — 駒沢女子大学と協定締結(配信日:2026年3月上旬)
駒沢女子大学が東京都と「都営住宅及び周辺地域の活性化に係る連携協定」を新たに締結した。令和4年度から都が推進する、在籍学生が都営住宅に居住して自治会活動を支援するモデルの拡大にあたる。高齢化が進む団地型コミュニティに学生が日常的に参入することで、自治会行事の運営補助・情報発信・世代間交流など多面的な効果が見込まれる。若年層の自治会加入率低下が全国的な課題となるなか、大学進学・一人暮らしというライフステージをそのまま自治会活動に接続する東京モデルとして注目されている。
出典元:駒沢女子大学が東京都と都営住宅活性化に係る連携協定を締結(沖縄タイムス)
先の北区同様、自治会活動を活性化させるための動き。住まいとなる都営住宅と学校の距離や恐らく安く住めるであろう家賃などが気になるところ。地域をハブにした世代間交流からは、学校だけでは学ぶことができない「社会教育」の場となるので、学校側にもぜひそういったことに感度のある先生が担当になってもらえたら、とてもいいタッグになりそうです。
国交省「令和の都市リノベーション」中間とりまとめ — ハード整備から「育むまちづくり」へ大転換(配信日:2026年1月)
国土交通省が2026年1月に「令和の都市(まち)リノベーション」中間とりまとめを公表した。従来のハード整備中心の「都市再生」から、既存ストック活用とソフト面重視の「都市リノベーション」への大転換を宣言するもの。重点論点として、①職住近接の再定義、②地域固有資産の活用、③「つくる」から「育む」へのエリアマネジメント進化、④防災の競争力化、⑤広域連携の推進が示された。民間企業にはエリアマネジメント・既存ストック運営・防災ソリューションなど「都市運営サービス」領域への参入機会が拡大するとされている。
出典元:国交省「令和の都市リノベーション」中間とりまとめ(NewsPicks)
国、都とまちづくりにおける施策がソフトの方への重心の移行を感じさせる昨今。職住近接は、私も推しであり、少ない移動で多くの人と出会い、話せる環境は異業種の接点も生みやすく、極端なところ「今からいっていいですか?」なんていうスピード感もある。地方では難しいかも知れないが、都心から少し外れた場所がとても適している。結果的にではあるが、そんな生活スタイルをネイバーズグッド創業時からの6年間で実践できて、実感を覚えるところです。なんとか、この国の施策に乗りたいところ。
香川・三豊市「身の丈商店街DAO」— 日本初の商店街DAO、1,480万円調達しリノベ着工(配信日:2026年3月4日)
香川県三豊市仁尾町で始動した日本初の「商店街DAO(分散型自律組織)」プロジェクト「身の丈ストリート」が、首都圏を中心に118名・計1,480万円の出資申し込みを集め、2026年春のオープンに向けリノベーション工事に着工した。DAOとは所有者・管理者が存在せず、参加者全員がオンライン投票で意思決定を行う組織形態で、少額出資でもまちづくりの意思決定と経済循環に加われる構造が特徴。出資者のうち東京都在住者が28.8%を占め、都市住民を地方まちづくりの共同運営者として取り込む新モデルを提示している。(FNNプライムオンライン 2026年3月4日)
出典元:新たな組織の形「DAO」で商店街再生 地域活性化の起爆剤へ(Yahoo!ニュース)
ブロックチェーン。ブームに火がつきそうなところで、AIの大波がきて話題が持ち去られた感じがありますが、DAOという新しい概念を使った共同体づくりには興味があります。一回運用してみない分にはまだ掴みきれない概念なので、こういった先行されている取り組みに参加してみようかな。
外国人との「共生」避難所運営 — 草津市ワークショップ、自治会役員・防災士が参加(配信日:2026年3月20日)
滋賀県と同県国際協会の主催で、草津市のキラリエ草津にて、災害時の避難所における外国人との共生を考えるワークショップが開催された。自治会役員・防災士ら約20人が参加し、言語・文化・宗教的慣習の違いへの対応策を対話形式で検討した。在留外国人が急増する都市部の自治会・町内会にとって、避難所運営での多文化対応は喫緊の実務課題となっている。対話型ワークショップという形式が担当者の自分事化と実践力向上に効果的とされ、全国の防災士・自治会向け研修モデルとして普及が期待される。
出典元:災害時の避難所でどうする 外国人との「共生」考えるワークショップ(京都新聞)
町会役員と防災士の資格も取得して3年。やっと来年度に企画させてもらった防災訓練を実施させていただけることになりました。自治会に限らず、さまざまな地域イベントの実行委員会を運営することも併せて痛感しますが、高齢の方が中心となる組織の中で、新しいことを持ち込む難しさがあります。信頼を大前提に順を踏むこと。そして行政の後ろ盾を得て、任せていただく運びとなりました。大変といえば、大変ではありますが、実際にそこに住む区民からボトムアップで時代に合わせた内容の提言と実施することは大変意義あることと考え、時にはお叱りも受けつつも粘り強くひとまず漕ぎ着けることができました。本ニュースでは、滋賀県と公益社団法人の主催で行われたとのこと。防災ほど地域を熟知するローカライズの必要の極みなので、行政主導にせよボトムアップにせよ、時代に合わせたアップデートがどんどん必要な分野だと思います。
ヤマト運輸「宅急便50年」— 次の50年は「物流+生活サポート」の地域インフラへ(配信日:2026年1月)
ヤマト運輸の「宅急便」が誕生から50周年を迎えた節目に、日本経済新聞が「次の50年」のビジョンを特集した。「荷物を運ぶ」という本業を超え、高齢者の見守り・買い物代行・行政サービスの取次など、多機能な地域インフラとしての役割を担う方向性を宣言。電気自動車・共同配送によるCO₂削減も進め、行政・企業・地域住民との連携を深めながら「物流+生活サポート」のハブとして地域社会を支える決意を示している。
出典元:日本経済新聞(2026年1月)※有料記事
非常にタイムリーで、本記事が出た日にちょうどヤマト運輸さんとの打ち合わせを控えており、提案している企画の後押しとなりました。先の北区「商店街地域応援団」のニュースに対する考察でも挙げさせていただきましたが、生活サポート(地域コミュニティの形成)と経済課題は、両端に位置する課題であり、共存が難しくはあります。これこそ、公民連携でかつ大手も交えた民間主導で行っていけると、解決にあたり自ずとビジネスが必要となり、自律した取り組みにつながっていけると思います。
東京都、2026年度予算案に商店街振興費「51億円」を計上(配信日:2026年3月5日)
東京都商店街振興組合連合会が発行する「商店街ニュース」令和8年3月号において、東京都令和8年度予算案として商店街振興に51億円が計上されたことが報道されている。特筆すべきは、この予算の重点が「担い手の確保・育成の強化」に置かれている点だ。担い手不足は都内商店街が最大の課題として長年挙げ続けており(東京都の調査では68.4%が「後継者不足」を最重要課題と回答)、これに正面から対処する予算措置として注目される。同号では併せて「東京の中小企業振興を考える有識者会議」が来年度の方向性として「商店街の振興」を明記したことも報告されており、行政が商店街を地域インフラと位置づける姿勢を鮮明にしている。この51億円規模の投資が、単なるイベント補助にとどまらず、継業マッチングや若手創業支援といった「人」の課題解決に向かうかどうかが今後の注目点となる。
出典元:東京都商店街振興組合連合会(都振連)
「51億円」というインパクトある数字が見出しにありますが、調べてみると2025年度も同額だった模様で、内容の変化に着目の価値がありそうです。表に起こすと下記の変化が見てとれます。
| 項目 | 2025年度(昨年度) | 2026年度(今年度) |
| 総額 | 約51億円 | 約51億円 |
| 主な重点項目 | 安全・インフラ重視 ・商店街防災力向上(約2億円) ・街路灯のLED化・省エネ化 | ソフトパワー・次世代重視 ・商店街担い手育成支援(新規) ・DX推進、若手・女性の活躍支援 |
| 文脈の変化 | コロナ禍からの「完全回復」と「防災対策の強化」が主眼でした。 | 人手不足を背景とした「組織の存続」と「新陳代謝」へシフトしています。 |
弊社の強みの部分に予算がついているので、がんばっていきたいところです。
福井県大野市と永和システムマネジメントが「電子回覧板推進」の連携協定を締結(配信日:2026年3月5日)
株式会社永和システムマネジメント(福井県福井市)と福井県大野市が2026年2月19日に「電子回覧版の推進に関する連携協定」を締結し、同社が開発した電子回覧板アプリ「タウンデジボ」による市内一部地域での実証実験を開始すると発表された。大野市は自然豊かな山間都市で高齢者の比率が高く、紙の回覧板に依存した情報伝達の近代化が急務となっていた。同様の導入実績を持つ福井市の成果を受け、大野市でも展開する形だ。「タウンデジボ」は市や地区の広報物・自治会お知らせの閲覧・緊急情報の即時配信・アンケート機能・ごみ収集カレンダー通知などを備えた機能特化型ツールで、自治会長の作業負担軽減も設計上の重点となっている。民間企業と自治体が連携協定を通じて電子回覧板を段階的に普及させるこのモデルは、東京都の自治会DX支援事業とも連動して参照できる先進的な地域連携の形だ。
出典元:PR TIMES・永和システムマネジメント
ひとえに回覧板といえども、都市部とこのような山間都市で高齢化比率の高い地域とでは、そのツールに求められることも異なってくるように思います。記事から見る限りでは、この地域ではとにかく自治会からの情報が届きにくい実情が垣間見えるように思います。私たちも行政案件を請け負わさせていただく中、つくづく痛感するのが、どうやってそれを普及させていくか。ツールやコンテンツづくりに目がいきがちで、作ったはよいが活用されないケースが多いにあります。情報が行き届きにくいからデジタル化した背景があるとしたら、デジタル化させたそのツールの情報はどうやって行き届けるのか。課題の本質はいつもツールではなく、広報にあるように思います。
