あさがやまちづくりセッション登壇を終えて

 杉並区が主催する「あさがやまちづくりセッション」。3月22日(日)の実施された会ではゲストトーカーの一人としてお声がけいただきました。阿佐ケ谷駅北東地区のまちづくり計画に基づいた、区民と行政が対話するこの場。2024年5月の第1回目から関わらせていただき、早くも第11回目となりました。

台本なしの「フリートーク」に挑む

 今回のテーマは『まちづくりにおける「にぎわい」とは?』。お相手は、まちに非日常をもたらす数々の仕掛けを手がけてきた齊藤志野歩さんと、住宅・福祉・公共空間の利活用を研究される早稲田大学の矢口哲也先生。アカデミックな知見と現場の実践を積み重ねてきたお二人に混じって、台本なしのフリートーク形式でのセッションに臨みました。

正直に言えば、難しかった

 率直に、とても難しいセッションでした。

 「にぎわい」という言葉一つとっても、参加者それぞれが持つイメージは異なります。そもそも、すべての方が「にぎわい」を求めているわけではない——その前提をセッションの冒頭で共有しながら、参加者の方々が何を求めているのかを探りながらの展開となりました。プレイヤーとしての苦労話に終始しないよう心がけつつも、「にぎわい」の定義の難しさと向き合い続けたセッションでした。

セッションを終えて見えてきたこと

 振り返ってみると、「まちづくりにおける『にぎわい』とは?」という問いは、あまりにも広かったのかもしれません。参加者の方々が期待されていたのは、もう少し明確な定義や答えだったのではないか——そんな気づきが、セッション後に残りました。

 セッションの冒頭で私が述べたのは、「まちづくりとは結果であって、誰かによってつくられるものではない」という持論です。多様な人々が集まり、偶発的に生まれる共同体の産物がまちづくりだと考えています。ただ、その偶発性を促す「呼び掛け役」は必要で、それがこの15年間、私がまちに関わり続けてきた役割でもありました。

 今回のセッションを通じてあらためて実感したのは、一つのまちの中に、近い価値観を持つ方々の複数のコミュニティが共存していることが、一種の「解」であるということ。そしてそれは、「にぎわい」という大きな括りで語るよりも、「まちにおける自治会の必要性とは?」のように、テーマを絞り込んだ問いから深めていくほうが、より豊かな対話が生まれるのではないかとも感じました。

問いを立てることの大切さ

 まちづくりの現場では、言葉の定義が問われる場面が少なくありません。「にぎわい」も「まちづくり」も、わかりやすい言葉であるがゆえに、受け手によって像が変わる。だからこそ、対話の場に立つ際には、問いそのものの設計が鍵を握ると実感しました。

今回の経験は、ネイバーズグッドがまちに関わる上での姿勢を、改めて問い直す機会となりました。引き続き、阿佐ヶ谷のまちと、そこに暮らす方々と向き合ってまいります。


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