営利企業としての社会貢献

 ネイバーズグッドは、まちに根ざした活動を続けてきました。商店会のイベント運営、地域ボランティアの組織化、自治会のサポート、防災活動——その一つひとつは、確かに価値のある取り組みです。しかし、正直に向き合うと、一人の人間の身体と時間には限界があります。

 案件が増えるにつれ、体力的な限界を感じるようになりました。子どもが生まれ、活動に充てられる時間にも制約が出てきました。現状の維持だけでは、時代の変化とともにじわじわと衰退の岐路を辿ってしまう——その危機感を、今あらためて強く持っています。

納税こそが、最大のまちへの還元

 「社会貢献」という言葉を聞くと、ボランティアや寄付を思い浮かべる方が多いかもしれません。しかし、営利企業としての社会貢献の核心は、納税にあると考えています。

利 益を生み出し、税を納めることで、その財源が行政を通じて福祉・インフラ・教育へと還元されていく。これは、個人の善意によるボランティアとは比較にならないスケールで、まちに影響を与える行為です。

 ただし、行政に財源を委ねるだけでは十分ではありません。現場に立つ者として、課題を提言し、解決策を提案し、実行まで共に担っていく姿勢が不可欠です。納税と現場実践の両輪があってこそ、まちへの貢献は本物になると考えています。

一番近くの「ネイバー」を豊かにすることから

 これまでのネイバーズグッドは、活動そのものが社会貢献、という側面が強くありました。しかし今、その姿勢を一歩進化させる必要があると感じています。

 「ネイバーズグッド(Neighbours Good)」という社名が示す通り、私たちが最初に豊かにすべき「ネイバー(隣人)」は、最も身近な存在——家族であり、従業員です。彼らの生活を安定させ、豊かにすること。それが起点となって初めて、より大きな社会へのインパクトへとつながっていく。そのためには、利益を出すことから目を背けてはいけない、というシンプルな結論に至りました。

人材不足と多文化共生——ビジネスで挑む二つの課題

 では、ネイバーズグッドが利益を生み出すために何に挑むのか。現在、最も可能性を感じているのが、人口減少による人材不足への解決です。

 具体的には、二つのアプローチを考えています。

 一つは、地域内での信頼性やスキルを担保したスポットワークのマッチングです。地域に根ざした15年の活動を通じて築いてきた人と人とのつながりを活かし、単なる労働力のマッチングではなく、信頼を軸とした仕組みを構築したいと考えています。

 もう一つは、外国人材と地域企業のマッチング支援と、多文化共生コミュニティの形成です。労働人口において欠かせない存在となった外国人材が、日本社会で孤立することなく共存できる地域コミュニティを育てていく。企業と人材のミスマッチを軽減しながら、外国人が地域に根ざして生きていける環境をつくることが目標です。

 この分野は社会教育の観点からも重要ですが、行政案件としては踏み込みにくい領域でもあります。だからこそ、ビジネスとして挑戦し、イノベーションにつなげていく余地があると考えています。

「稼ぐこと」と「貢献すること」は矛盾しない

 利益を追求することと、まちに貢献することは、決して矛盾しません。むしろ、持続可能な地域貢献のためには、健全なビジネスの土台が不可欠です。

 恒常的にまちをサポートし続けるために、能動的に変化し、イノベーションを起こしていく。その覚悟を持って、ネイバーズグッドは次のステージへと踏み出していきます。


Index ネイバーズグッド《2026年4月号》
Topicks
商店街と共につくる、阿佐ヶ谷のまちの縁
あさがやまちづくりセッション登壇を終えて
営利企業としての社会貢献

月間インフォメーション
今月のネイバーズ募集
デザインワークス
今後のスケジュール
まちづくりニュースピックス

あとがき(代表コラム)
公益を考える


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